高市総理が語る中国製のIT機器が、日本の生活や仕事の基盤に深く入りつつあります。中でも注目されるのが、家庭用ルーターのTP-Linkと、オフィスソフトの**WPS Office(キングソフト)**です。

TP-Linkは世界的なルーターメーカーで、日本市場でもWi-Fi 6E対応ルーターで約48.9%、Wi-Fi 7対応では約69.1%という高いシェアが報じられています。

一方で、2023年にはセキュリティ企業がTP-Link製ルーター向けの悪意あるファームウェアを確認し、中国系APTと結び付けた報告を出しています。

これらは、製品そのものが必ず不正をしていると断定する材料ではありませんが、「狙われやすい基盤」である現実を示します。

オフィス分野では、中国企業キングソフトのWPS Officeが、Microsoft Officeと高い互換性を持つ低価格な選択肢として、日本でも法人・教育機関向けに展開されています。

一方、中国国内ではWPS Officeに対し、作家が原稿ファイルにアクセスできなくなったと訴え、検閲やプライバシーへの懸念が国際的に報じられた事例もあります。

背景には、中国の国家情報法があり、企業や市民に情報機関への「支援・協力」を義務付ける条文が存在します。

これにより、中国企業のクラウドサービスやネットワーク機器に対し、各国が安全保障上の警戒を強めています。

日本では国の機関は調達基準を厳格化していますが、自治体や民間は自己判断に任される部分が多く、リスク認識や対策に差が出やすい状況です。

便利さや価格だけで選ぶのではなく、「どの国の法律の影響下にあるサービスか」を意識し、設定の見直しや情報の扱い方を慎重に考える必要があります。

要点を抑えると…

  • TP-Linkは日本のWi-Fi 6E・Wi-Fi 7ルーター市場で高いシェアを持つ

  • 2023年にTP-Link製ルーター向け悪意あるファームウェアが報告され、中国系APTとの関連が指摘された

  • WPS Office(キングソフト)は日本でも法人・教育向けに普及し、低価格と互換性が特徴

  • 中国国内ではWPS Officeに対する検閲・プライバシー懸念が報道された事例がある

  • 中国の国家情報法が、中国企業への情報協力義務を定めており、各国が安全保障面で警戒を強めている

注意すべきこと

  • 「中国製であること=必ず危険」と断定する根拠はなく、製品ごとの設計・運用によってリスクは異なる

  • TP-Linkやキングソフトが、国家情報法に基づき具体的にどのような協力を行っているかは公表されておらず、わからない

  • 報道や専門家の指摘には幅があり、最新情報と一次資料を確認せずに過度な不安を煽る表現は避ける必要がある

  • 個々の環境での安全性は、ファームウェア更新・パスワード管理・アクセス権設定など運用面にも大きく依存する

イメージはこんな感じ

私が思うこと

TP-LinkやWPS Officeは、性能や価格面で魅力があり、多くの利用者を獲得しています。一方で、中国国家情報法や過去のサイバー攻撃の報告を踏まえると、国家と企業の関係に特有のリスクが存在することも事実です。

重要なのは、企業名だけで善悪を決めることではなく、「どの情報をどの国のサービスに預けるか」を分けて考える姿勢だと感じます。

特に機密性の高い業務や研究については、法制度や運用を含めて慎重に選択する視点が必要だと考えます。