米シカゴ地区連邦準備銀行が発表した推計によると、2025年10月の米失業率は4.36%(四捨五入で4.4%)となり、約4年ぶりの高水準に達した。

前月9月の4.35%からわずかに上昇したが、労働市場の鈍化傾向が鮮明になっている。主な要因として、一時解雇(レイオフ)の増加や新規採用の停滞が挙げられる。

今回の統計は、連邦政府の一部閉鎖により米労働省による公式発表が遅れたため、シカゴ連銀が代替的に算出したもの。調査期間(10月12〜18日)が閉鎖時期と重なり、最大75万人の政府職員が一時帰休していたことも影響した可能性がある。

これは民間労働力の約0.4%に相当し、短期的には失業率上昇を押し上げたとみられる。

この結果を受け、金融市場では「年内の利下げ再開」への期待と「景気後退懸念」の双方が交錯している。

失業率の上昇は消費者信頼感や個人消費を冷やすリスクがあり、FRBの金融政策判断に大きな影響を与える可能性がある。

要点を抑えると…

  • 米失業率は10月に4.4%へ上昇し、4年ぶりの高水準
  • レイオフ増加採用鈍化が背景
  • 政府閉鎖の影響で一時帰休者が発生
  • 労働市場の軟化が景気減速懸念を拡大
  • FRBの利下げ観測が再浮上

注意すべきこと

  • 今回の失業率は「シカゴ連銀の推計値」であり、公式統計ではない
  • 政府閉鎖による一時的な影響を完全に除外できず、今後の最終確報値で修正される可能性がある。
  • 確定的な「景気後退入り」と断定するのは時期尚早

イメージはこんな感じ

私が思うこと

今回の失業率上昇は、単なる数字の変化にとどまらず、米国経済の構造的な変化を映し出していると感じます。

AI・自動化の進展により、再雇用機会が限定される層が生まれつつあるのかもしれません。

短期的には政府閉鎖の影響を考慮すべきだが、根底には労働市場の過熱が落ち着き、企業がコスト管理を重視する方向への転換があると考えられます。

今後、FRBの政策判断は雇用データと物価のバランスを慎重に見極める必要があると感じます。