政府は、自衛官の待遇改善を目的とした防衛省職員給与法改正案を今国会で提出する方向で検討しています。

改正案では、高卒初任の「2士」が23万9500円(前年度比1万4900円増)、候補生は19万500円(同1万1500円増)とし、いずれも過去最高額となります。

また、全ての世代で俸給(月額基本給)を引き上げる方針です。
背景には、自衛官の定員割れと中堅・ベテラン層の離職増加があります。2023年度の中途退職者は6258人と過去15年で最多を記録し、充足率は89.1%にまで低下。民間企業への転職が増え、経験豊富な人材の流出が課題となっています。

これまで若年層を中心に引き上げを行ってきましたが、今回は全世代に対象を広げ、中堅層の定着を図る狙いです。
自衛隊の士気向上には、給与だけでなく住環境や福利厚生の改善も不可欠とする意見も多く、官舎の老朽化や勤務環境の改善を求める声も上がっています。

今後、法改正が実現すれば、給与は2025年4月1日にさかのぼって支給される見通しです。
国防を担う自衛官への評価と待遇改善は、安全保障体制の持続性を左右する重要な政策として注目されています。

要点を抑えると…

  • 自衛官給与法改正案が今国会提出へ
  • 初任給「2士」23万9500円、「候補生」19万500円に増額
  • 全世代の基本給を一律引き上げ
  • 2023年度の退職者6258人と過去最多
  • 離職防止と人員確保、士気向上が目的

注意すべきこと

  • 財源の確保が課題となる可能性がある。
  • 給与改善だけでは離職問題が解消しない可能性もある。
  • 待遇改善には官舎・福利厚生・勤務環境の総合的見直しが必要。
  • 一部で「防衛費増大」への反発も想定される。

イメージはこんな感じ

私が思うこと

自衛官の給与引き上げは、国防体制の維持に直結する現実的な施策といえます。

近年は民間との待遇格差が広がり、特に中堅層の流出が深刻でした。

給与アップは一定の効果をもたらすでしょうが、真の離職防止には職場環境の改善や家族支援制度の充実も求められます。

任務の重さと社会的使命に見合った報酬体系を整えることが、次世代の志願者確保にもつながるでしょう。